もう先月のことになりますが、陶器作家、安達 健さんとの企画『「やきもの」と「うつわ」について』を開催しました。
今までにないくらいほどの暑さの中、展示会、食事会、ワークショップとそれぞれに足を運んで下さった皆様、どうもありがとうございました。
暑く長く、濃い一週間。2018年の夏は、この安達さんとの企画によって思い出すだろうなあと思うほどに、濃密な一週間となりました。
ワークショップは、ここ山水ラボ内で土を掘り、捏ね、即席の窯を作り焼いて、やきものを作るという3日間にわたるものでした。
庭禾の建物の裏手の山に皆で入り、粘土質の土を掘り出し、水を加えて捏ね、思い思いのものを手で形作っていきました。器っぽいもの、カブトムシ、拾った貝殻の跡をつけた入れ物、丸い塊。ちゃんと形になります。
一日乾燥させて、薪を組み、皆の作ったものを積み、籾殻と藁で構造を作るようにして、最後に泥をペタペタ。
三角帽子のような窯はあっという間に出来上がり、少しずつ点火。
ぶすぶすと煙が泥の隙間から立ち上り、原始的に感じる風景と煙の匂い。
翌朝、窯を崩して、各々の作品を灰の中から探し出す。焼きあがったもの、崩れてしまったもの、破片しか見つからないもの。
山のすぐ横を畑にし、私は野菜を育てていて、よくできるものもあれば、できないものもあります。
土の質、手入れの仕方、時期、天候。そんなことに左右されながら、できたものを食べる。
焼きものも同じだったのだなあと、ずっと昔はきっと、こうやって手近なところで向いていそうな土を探し、捏ねて生活に必要なものを作って焼いていたのだろうなあと、そんなことを思いました。野菜を育てるのと同じように、手応えを体で感じながら、身の回りのものを作って使っていたんじゃないだろうかと。
安達さんの器。
食べるものを入れる入れ物、器。
どう入れるか、どう入るとどう見えるか、どう見えたら美しいか、食べやすいか、香るか、どんな気分になるか。
自分の生活の中で日々器を使い、自分の立っている場所をいつも見ている人。そういう人が作っている器であることを、食事会で器を使わせていただきながら、お話を聞きながら、器を手にしながら、また確認するように思いました。
食事会はコースで提供するという初めてのスタイル。
緊張もしながら、それでも新たなことはやはりおもしろく。いい機会をいただきました。
デザートは鎌倉を拠点に活動されている、内山史さんの和菓子と冷抹茶。遥々駆けつけて下さいました。
素晴らしく美味しく美しいお菓子。お土産用のお菓子もどれも手がかけられていて、心奪われるものでした。
お越し下さった皆様、安達さん、内山さん、素晴らしい時間と機会を
本当にどうもありがとうございました!