野菜の色がきれいだね。

野菜の色がきれいだね。

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今回のレストラン&カフェ営業は、雑誌に掲載していただいた影響なのだろう、

ありがたいことにたくさんのお客様に来ていただいた。

 

今の季節の野菜を思い浮かべ、いくつかのメニューを考え、すべてのデリを盛り合わせたときのお皿の上を何度もイメージしながら調整し、買い物に出掛け、並ぶ野菜を前にまた調整。

前日から仕込みをし、当日も仕込みから仕上げにかかり、オーダーが入ったらドキドキしながら調理をし、盛り付けをする。

 

オーダーのほとんどはデリプレート・ランチ。4品のメニューを一皿に盛り付ける。

4品を盛り込むことのメニュー同士が与える影響。味、香り、汁気、乾燥、温度。

一皿がお客様の前に置かれたときに、どうなるのか。どう感じてもらうのか。

 

思い描いていたイメージの通りにいくこともあれば、あれ?うまくまとまらないと手こずることもあって、

私はまだまだまだまだだなあ、とへこんで、描き足りなかった、手をかけ足りなかった・・・と反省することも多い。

 

描いていた通りに、いやそれ以上に美しく、美味しそうに盛り付けが完成すれば、本当にほっとし、嬉しくなる。

 

 

ランチのお客様が引いて、常連さん、というところからもう友達のようにして足を運んでくれる彼女がランチまだある?と来てくれた。

 

背中に窓からの日を浴びながらゆっくりとランチを食べた彼女。傾くスピードの早いこの季節の日差しは、食べる間にもどんどんと角度を変えていた。

「今日はいつも以上に野菜の色がきれいだったね。白い大根にピンクの大根のピンクがほんのり移ったりしていて。」

 

営業一日目は、白とピンクの大根を初めから混ぜておいたのだけれど、時間が経つと色が移り過ぎるから、2日目は別々に味付けをし、盛り付けるときに混ぜていた。白とピンクの色をはっきり分けたかったのだ。

 

けれど、ほんのりと色が移る、そのことまでは想像していなかった。

 

そんなこと言われたら、恋しちゃうよ!と思った。

それぐらいにきゅーっと嬉しかった。

私が思っていた通りよりも、料理し盛り付けたときに起きた繊細な美しさを見ていてくれた。そしてそのことを教えてくれた。

 

なんだか染み入るように嬉しくて、ドキドキ恥ずかしいような気持ちになった。

 

料理をしていく喜びを、またひとつもらったように思う。