山水ラボの水問題のこと

山水ラボの水問題のこと

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ここ山水ラボに出会って5年。住み始めて丸4年。

この冬ほどに水がないのは初めてで、てきめんに降雨量の影響を受ける浅井戸は水量がかなり乏しく、水不足生活も2ヶ月が経とうとしていて、ついに今月来月はレストラン営業をまるまるお休みすることにした。

 

再確認!と、市の水道課へ話を聞きに行ったけれど、やっぱり川に囲まれ橋でしか水道管を繋げないこの立地では、水道を引くのはやっぱり難しい問題がいろいろとあり。

 

水道が来ていないこの場所で、水があってこその料理をベースに仕事をしよう、生活をしようとここを決めた5年前の私よ!!

悩みに悩んだあの頃を思い出す。今更ながら、よくやろうと決断したよ…!

 

そう思い、あの作業の日々の始まりの頃の写真を見てみた。

週に6日、なっちゃんと仲間と朝から晩まで作業に明け暮れ、やればやるほどに問題が出て、一体いつ完成するのか、完成できるのか、お金はもつのか…、と不安いっぱいだった。

でも、初めてこの場所を見に来たときの、風景がきらきらと光って見えて「ここしかない!!」と全身で思ってしまったあの感覚は消えるものではなくて、どうにかこうにか住み始め、工房名月と庭禾とそれぞれに活動を始め、家族も増え、それぞれの暮らしを作ってきた。

 

ここに暮らし始めて、天気予報をしっかり見るようになった。

井戸水のタンクと井戸本体、トイレに使っている雨水のタンクの水位を見る。

水量の現状、営業や教室の予定、天気予報とを見て、水がいけるか?を考えるのは日常的になった。

天気予報では当然のように雨が降るのは残念みたいに話しているのに違和感を持つようになった。

 

洗濯やお風呂は本当に水をたくさん使うし、水洗トイレの一回の水量の多さに今でも驚き贅沢だ~~と思い、一回の食事の準備と洗い物に使う水の量にも敏感になる。

 

蛇口をひねるときはいつだって、山のところにある井戸水タンクの水が減るところが頭に浮かぶ。

 

水質の維持だって、もちろん自分達であたらなければならない。

 

水道のある(普通だけど)母の家でお風呂に入って気にせず水をじゃあじゃあと出していると、量だって質だって気にしなくていいんだ~とホッとして、すごく贅沢気分になる。ああ水道ってすごい!水道が欲しい・・・、とつい思う。

 

水のことを一人ひとりがこうして気にしなくて済むのは、当たり前に水道があるお陰で、でも水道だってダムとか貯水池の水量の影響をもちろん受けているはずで、水不足と言われる時期は、それこそ水道に関わる仕事をしている人達はきっと冷や冷やものだろう。

 

知らなくていいから、無頓着にも無責任にもなれる。

 

水道がないからこそ、その見なくていい気にしなくていい所に気づけて、気を付けたり考えたりするチャンスを与えられているんだ!・・・なんてことを自分に言い聞かせて、この不便で不安な水不足生活をなんとか今日も過ごしている。

 

臨時休業でご迷惑をおかけしてしまった方々もたくさんいらっしゃるし、こう不便な生活が長くなってくるとそのストレスも溜まってきて疲れてもきていて、こうしてつらつらと感じていることを書いてみたくなってしまった。

 

改修作業を始めてすぐの頃の写真。

 

庭禾の入り口前。本格的な作業スタートの前にできることをと障子の張替えをした夏の日。

はあぁ、こんなだったのか。

よくここから今のここまで来たな。

本当にたくさんの友人たちの力と優しい心のお陰だ。

 

水問題とは、ここにいる限り、どうやらこれからも付き合っていかなくてはならなそうだ。

不便で不安で思うようには行かないけれど、でもやっぱりここがどうしても好きで、ここで家族といろんな人達と楽しい時間を過ごしたいきたいと思う。

 

 

ああ、雨が降りますように!春よ来い来い!!